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1xドライブトレインのメリット

一つ目が軽量化。シフター、ワイヤー、ディレーラーそしてチェーンリング2枚を全て取り外すので、合計したら数百グラム、もしかしたら1kg近い軽量化が実現する。
なんだそれぐらい、自分の身体を軽量化しろと言われそうだが、おっさんにはつらい。
それに、 Juniorクラスの子供に「減量しなさい」というのも、よほど贅肉が付いていない限りどうかな?と思う。

以前はFディレーラーを外すと、チェーンデバイスを装着しないと、チェーンリングからチェーンがすぐに外れてしまった。それで解決すれば良いのだが、チェーンデバイスでチェーン脱落を防いでも、万が一、いや結構な頻度でチェーンがチェーンリングから外れた時にチェーンデバイスがあると復帰がすごく大変。
この点もナローワイドのチェーンリングの登場で、完全に解決されてしまった。
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2つ目のメリットが、シフトが簡略化されて、全体のギア比を前後合わせて調整しなくとも、右手一つでできること。例えばフロントをインナーに落としたら、軽くなりすぎるので、リアを1枚重くしたりしなくても済むということ。根っ子や岩を微妙に避けてライン取りしながらこの操作が意外と負担なのである。

負担だけなら我慢して使うか、習熟すれば良いことかもしれないが、フロントのシフトはバイク自体のスピードダウンを招いてしまう根本的問題をもっているので、その点からもフロントギアの変速がないということはメリットがおおきのである。

最新の 9000系 XTRは電動になり、ボタン一つで前後ディレーラーがシンクロして変速するというから、この点がコンピュータ制御という形で解決されている。フロントシングルにするということは、この煩わしさを、単純化で解決することに当たる。

ここまでは、フロントシングルを実行する前から予想されたメリットだが、次の3つ目のメリットは、実際にやってみて気づいたこと。

最近の MTBでは、 Fサスのロックや、ドロッパーシートポストを手元でコントロールするシステムが追加できる。両腕は基本的に路面の凹凸に応じて、プッシュプルの連続なので、実は大変忙しい。指の短い人間が(そうでなくても)ハンドルに取り付けられたそれらの幾つものレバーをオフロードで使いこなすのには、かなりの熟練を要する。というか、トレイルライドを楽しむ場合ならいざ知らず、レースなどの極限の局面ではほぼ不可能ではないだろうか?

フロントギアのシフターがないということは、そこに一つレバーの王様ポジションが空いているということである。そこへ、フロントサスのロックや、ドロッパーのリモートレバーを取り付けると、フロントシフトと同じぐらいな咄嗟の感覚でそれらの操作が可能となる。

とくに私が多用しているのが、ドロッパーシートポストである。突然出くわしたドロップでも、咄嗟に左手親指でシートを下げられるので、非常に重宝している。重宝というより、下りを楽に楽しみたい身としては、既に必須アイテムとなっている。

以上がフロントシングル化のメリットです。と書きかけて、重要なことを忘れるところでした。

4つ目のメリットが、フロント変速の調整が必要ないということ。もともとないのですから(笑)

リアの変速はギアの間のギャップが小さいので、比較的軽くスムースにシフトが可能であるが、フロントチェーンリングのシフトは一般的にリアよりも難しく、おのずと、その調整も微妙なものとなる。

これも電動化すれば解決するというのが、シ○ノさんが出した解答の一つかもしれないが、バッテリーを含めた重量の増加は否めない。そもそも自転車という純粋に人力で駆動するシステムに、変速システムとはいえ、電力を使うというのは、個人的にはどうも納得がいかない。

以上、わたしの考えるフロントシングル化のメリットでした。というわけで、フロント1枚のMTBライフを謳歌しております。

ちなみに、メリットばかりでなく、デメリットもあるので、どうしてもデメリットの部分を受け入れられないという場合には、いくらメリットがおおくても、導入するべきではないというのは当然です。

by aero_boy | 2015-07-06 11:07 | ドライブトレイン