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この圧倒的性能差は何?


唐突ですけれども、わたしは飛行機が好きなんですよね。乗るのではなくて、飛行機そのものです。
こどものころはラジコン作ったりして、夢を見ていました。1機体だけでしたけれど。

そのなかでも飛行艇が好きなんですよね。
水上飛行機ではなくて、飛行艇の方です。
船に主翼と尾翼をつけたようなやつです。
逆に言うと、飛行機の胴体を船にしたといいますか。

この圧倒的性能差は何?_f0114954_10023781.png

なぜ好きなのかは自分でもよく分かりません。
「紅の豚」影響かなとも思いますが、逆に飛行艇が好きだから、「紅の豚」が好きだとも思えるし。
WW2時代の飛行艇で言えば、カタリナなんか好きですね。
普通の飛行機だと、飛行場がないと離着陸できません。飛行艇(水上飛行機もだが)は広い水面があればどこでも離着水できます。
下記のUS-2なんか、タイヤも付いているので離着陸もできるんです。
そういう圧倒的自由度の高さみたいなところが好きなのかもしれません。


で、現在、比較的大型の飛行艇を製造している国は、ロシア、カナダそして日本しかないそうですね。
戦時中とか、小型のなんかは色々あるのでしょうが、大型なのは、たった3つの国しか作っていないということにまず驚きました。

日本では、新明和工業のUS-2なんですが、その性能が他の国の飛行艇と比べてえらく違うんで、さらに驚きました。



総合的にみて、日本のUS-2が圧倒的に高性能なんです。
値段が高いらしいですけどもね。

飛行艇なので、水上に離着水できるのは当たり前なんですが、上記のように、側面からタイヤが出てきて、普通の飛行機のように離着陸もできるというすぐれものです。

それだけでもすごいんですけど、このUS-2は離水距離がなんと280mしかありません。
いわゆるSTOL(Short TakeOff Landing)ですね。
ボーイング787の離陸滑走距離が2530mですから、その1/9程度しか距離が必要ない。
まあ、飛行機自体の大きさも787の方が大きいので、滑走距離が長いのは当たり前なんですけどね。

US-2は全長33mです。
おなじくらいの大きさと言うと、ANAなんかでよくとんでいる、70人乗りの旅客機ボンバルディアDHC8-Q400の全長が32.8mです。
旅客機と救難飛行艇という違いはありますが、だいたい同サイズと考えていいのではないでしょうか。

積載重量なんかの関係で簡単には離陸滑走距離を言えないのでしょうが、このDHC8の場合、だいたい1000m位は必要なようです。
それとくらべてもUS-2の滑走距離は1/3程度です。

飛行機のサイズのことを調べていて気づいたのですが、久しぶりの国産旅客機として話題のMRJの乗客数も50-70くらいみたいですから、US-2とサイズ的には同じくらいなんですね。
「久しぶりの国産大型機」みたいに騒いでるひとがいますが、US-2はとっくのむかしにこのサイズで飛んでるんですね。

余談ですが、MRJが苦労しているところは、米航空局の民間航空機のための認証ですね。
世界の空を飛ぶのですから、国連かなにかが認証しているのかと思ったら、アメリカがやっているんですね。
まあ、そのへんはWW2後の構造がそのままってことでしょうが、詳しくはよく知りません。

US-2は旅客機ではなくて、救難飛行艇なので、この認証は必要ないのです。
旅客機産業はアメリカのもうけに直結してるでしょうから、他国がなかなか認証が取れないのは、そう言うところから来ているのでしょうね。
Honda Jetは成功していますから、MRJにも頑張って欲しいところではあります。

しかし、US-2みたいな飛行艇は、アメリカ含めてほとんどの国が造っていないのですから、民間旅客機に改造して運用したらおもしろいとおもいますが、どうでしょう?
インドに軍事装備品として輸出しようとしているみたいですが、高くてなかなか買ってくれないそうです。
もっとも、日本の自衛隊でも、5機しかもってないそうです。
なにしろ、戦闘機並みに180億円ぐらいするそうですから。

飛行艇好きの私としては、もっと民間機として、あるいは災害救助とか山火事の消火とかでどんどん活用できないのかなと思ってしまいます。


by aero_boy | 2018-09-01 21:58 | 日常/ポタリング